コンピュータ断層撮影(CT)は、スキャンされたオブジェクトの内部構造を視覚化する3次元画像を提供し、欠陥やその他の関心領域の正確な空間位置を示します。
品質保証およびR&Dにおける産業用CTのメリット
コンピュータ断層撮影は、品質保証および品質管理において最も重要かつ強力な非破壊検査方法の1つです。Comet YxlonのCT検査システムは、電子機器、自動車、航空宇宙産業などのメーカーや研究者をサポートし、不良品やリコールの削減、廃棄物の低減、ダウンタイムの短縮を通じて、最高水準の製品品質と効率的な製造プロセスの追求に貢献します。
産業用CTはどのように3Dデータを生成するのですか?
検査対象の3D表現を生成するため、産業用CTスキャナシステムはまず、さまざまな回転角度における一連の2D X線画像(投影データと呼ばれるもの)を作成します。2D画像の取り込みと同時に、例えば逆投影アルゴリズムなどによる再構成を開始することができます。画素の各行について、システムはトモグラム、すなわち3Dオブジェクトの仮想的な断面を作成します。その後、これらのトモグラムをソフトウェアで結合し、オブジェクトの最終的な3Dデータを生成します。
濃淡の差は材料の密度値の違いに対応しているため、欠陥や不規則性を極めて高い精度で三次元的に特定することができます。画像サイズを説明する際、産業用CTではピクセルの3D版であるボクセル(体積ピクセル)という用語が使用されます。
産業用CT:幅広い用途
気孔および介在物の特定
鋳造欠陥、溶接欠陥、気孔、クラック、介在物、ボイドなど、3D検査ではコンピュータ断層撮影によって、不規則性の正確な位置と形状が信頼性高く可視化されます。Comet Yxlonは、極小のマイクロチップから完成した航空機や自動車のエンジンブロックに至るまで、ほぼすべてのサイズのオブジェクトに対応する多様なCT検査システムを提供しています。
構造解析(AMなど)
CTを使用することで、コアサンプルなどの地質学的標本から道路や橋梁に使用される建設材料、積層造形(AM)製品に至るまで、さまざまなオブジェクトの内部を観察することができます。積層造形(AM)において、CTスキャンは、粉末床融解法で発生しうる一般的な欠陥(気孔、ボーリング、過度な表面粗さ、微細構造の問題など)の検出に役立ちます。
複合材料の解析
製品特性を左右するため、繊維の配向(炭素繊維など)は複合材料解析において不可欠な要素です。CTを使用すると、空間内のあらゆる角度に特定の 色を割り当てるソフトウェアにより、部品の繊維の配向を可視化できます。著しい不整合は、容易に識別できる色でハイライト表示することが可能です。
寸法測定
寸法測定では、3Dスキャンは外部および内部表面の比較に広く使用されています。例えば、CTスキャンデータをCADモデルと比較する、あるいは2つのCTスキャンデータを相互に比較するといった公差・実寸法比較などです。また産業用CTでは、射出成形プラスチック部品の多個取り金型の各キャビティに関する適合性レポートを作成するためなど、内部構造の寸法測定も可能です。
アセンブリ解析
産業用CTは、アセンブリの機械的な形状や嵌合の確認、あるいはガスケットや発熱体といった製品内のコンポーネントの可視化に使用できます。電子部品やプリント基板(PCB)の欠陥解析において、CTは、巣の体積や不具合のあるはんだバンプのパッド表面構造に関する詳細情報を提供します。また、半導体パッケージの検査のように、筐体内部のわずか数ミクロンサイズの構造解析にも役立ちます。
CT検査システムのコンポーネント
産業用CTシステムの最も重要なパーツは、X線源、X線検出器、マニピュレータ、および画像処理ソフトウェアです。
X線源またはX線管
焦点サイズに応じて、さまざまなX線源はミニフォーカス、メソフォーカス、マイクロフォーカス、ナノフォーカスと呼ばれます。現在、CTシステムで使用されているX線源の基本タイプには主に2つの種類があります。ミニフォーカス管はマイクロフォーカス管よりも高出力であり、約20 keVから約600 keVの管電圧を備えています。マイクロCTアプリケーション向けのマイクロフォーカス管は、約20 keVから約300 keVの管電圧で利用可能です。焦点サイズによって、オブジェクトの内部詳細をどれほどシャープに可視化できるかが決まります。管電圧が高いほど、X線がより高密度または大型のオブジェクトを透過できるようになります。
検出器
最新のCTシステムには通常、コーンビームCT用のフラットパネルデジタル検出器アレイ(DDA)、またはファンビームCT用のライン検出器アレイ(LDA)のいずれかが装備されています(以下の技術詳細を参照)。これらの検出器はいずれも非常に高い感度、分解能、階調度を備えており、優れたコントラストを持つ非常にクリアな画像を生成します。LDAは、高X線エネルギーで検査される厚肉コンポーネントの高精度なファンビームCTスキャンに特に適しています。
共創によるイノベーション:CTScan 3
お客様との密接な対話と市場動向に対する鋭い洞察力が、Comet Yxlonにおけるイノベーションの原動力です。一例として、高密度材料を検査する高エネルギーアプリケーションで発生する散乱X線の影響を受けないスキャン結果へのニーズに着目し、Comet Yxlonは解像度、コントラスト、安定性などの画質において比類のないライン検出器アレイ(LDA)であるCTScan 3を開発しました。
マニピュレータ
マニピュレータは検査対象の位置決めと回転を行い、X線源と検出器がさまざまな視野角から複数の画像を取得できるようにします。アプリケーションに応じて、スチールフレームをベースにしたマニピュレータを備えたCTシステムもあれば、スチールと比較して温度安定性が高いためより容易な機械的調整が可能な、グラナイトをベースにしたシステムもあります。
ソフトウェア:Geminy
Geminyは、すべてのワークフローに対応するComet Yxlonのシングルユーザーインターフェースです。ウィザードとプリセットを使用することで、お客様を検査プロセスへと導き、強力なCT技術によって画質と速度を最適化します。
基本的なCTスキャン技術とはどのようなものですか?
基本的なCTスキャン技術には、ファンビームCTとコーンビームCTの2種類があり、コーンビームCTでは、ヘリカルスキャンCTやコンピュータ断層ラミノグラフィなど、画像取得のために多様なスキャン軌跡が使用されます。
CTハンドブック(pdf)